おれと電脳コイルとAR(強化現実) その1

みんな大好き電脳コイルの中でも、とくに大評判のヒゲイリーガル話ですけれども、あれは確かに楽しかった。
顔表面のAR(強化現実)膜の上にAIが住みつくつーのがまず楽しいし、この構造が地球表面上に人類が発達して、それを地球が眺めるガイア仮説観で捉えるのももちろん楽しいし、もっと言えば、ある対象のマイナス一次元(というかその内部とか)での現象・活動をその対象の次元で眺めると、その対象を別存在に引き上げうるぜーみたいなトコが楽しいと思った。
たとえば、ある1点が明滅(存在/非存在)を繰り返したらそいつは《シグナル》としての価値を持つし*1、ある線状の存在の中をシグナルが行き来したらそれってただの線じゃなくて伝染もとい電線くさいし、立体表面上をネットワークが覆うとガイアくさいもんが出てきそうだし、宇宙空間中が遍く三次元通信・三次元構造で満たされるとその上位視点からはなんか別のものが見えてきそうだし、四次元が満たされたら五次元で面白そうだし、とまあ永遠に次元増殖して想像するのが面白いのであった。
そもそもヒゲっつーのが設定の勝利で、いったら化粧だってARだし、電脳コイルレベルの世界ならボインARとか笑顔ARとかの防性コミュニケーションも十分ありだし、相手のメガネに進入する攻性コミュニケーションももっとありだし、あと関係ないけどびんぼっちゃまは相手に見える方向のみ服装装飾している点は効率的なARだなーと思った。

*1:宇宙が存在・非存在を繰り返したらそれってシグナルくせーな、とか