おれたちは石焼芋のあの皮のペリッとはがれるとこが大好きだ。

おれたちは石焼芋のあの皮のペリッとはがれるところが大好きである。他のサツマイモ調理法ではあのペリッと感は味わえない。蒸かしてもダメ、ホイルに包んで焼いてもちょっと違う。石焼芋にだけ許された神の所業、皮。薄皮一枚が石焼芋を真の石焼芋たらしめているのだ。皮こそすべて、本体などサブである。
そんな神の食べ物、石焼芋を紙袋いっぱい抱えて恥ずかしそうに歩いてくる白ニトキャ・白マフラー・白ミトンにキャメルのダッフルを着た美少女が、あなたに「はい」なんつって石焼芋を渡すのである。素手のあなたはあちあち言って石焼芋を取り落としそうになって、彼女と急接近。彼女ったら頬を真っ赤に染めるのであるが、あなたは鈍感なので風邪? と聞かなければならないのである。クリスマスももうすぐ。彼女は意を決して、あなたに「こんどお鍋しませんか?」などと誘うのだが、うむ、後半焼き芋関係ない。