小さい男の子がおしっこするときズボンを全部下ろすわけだが。

小さい男の子がおしっこするときって、たいていズボンを全部下ろすわけだ。それがいつしか大人になり、ズボンの前部分だけを開帳しておしっこをし、さらに成長してフロントジッパーだけを開口しておしっこをするようになる。無駄な動きを最小限にしておしっこをする、なんとも人間とは合理性を求める生き物よのう、と思ったりもしたのだが、きょうおじいちゃんを見て考えをあらためた。
つまりおじいちゃんという生き物もそこそこの確率でズボンを全部下ろすのである。と、こうなると単に年を経ればズボンの開口が少なくなるというものでもないのだ。むしろ年をとっていくにつれ、子供のときのように開口量が大きくなる。
ここでおれは一つの考えにいたる。
人は裸で生まれ、大きくなるにつれ体を覆う布の量が増えていく。だがいつしか布の量は減少に転じ、死ぬ際にはまた裸となって、そして世界からその存在を消す。
ビッグバン&ビッグクランチ。なぜかそんな言葉が脳裏をかすめた。