アフィリエイトハルヒ その2

なんだってこう俺のまわりではとんでもないことばっかり。
「ぶつぶつ言ってないでなんとかしなさいよ!」
どうにかっていわれてもな。突然、部屋の壁が迫ってくるなんてゲームじゃあるまいし。
「いやぁー! こんなところで死にたくないですぅ」
同感ですよ、朝比奈さん。
「そうだ古泉、おまえならどうにかできないか?」
「確かに表現上は閉鎖空間と呼べるかもしれませんが、僕の力が発揮できる閉鎖空間ではありませんね」
真顔で返すなよ。くっそー、もうどうにもならないのか?
「絶体絶命、といったところですか」
「……」
「ん? …長門?」
長門が二冊の本を差し出している。分厚い。もしかして、これをつっかい棒代わりにしろと?
「……(コク)」
ええいままよ! 俺は二冊の本を受け取りせまりくる壁の間に挟んだ。ズ…ズズゥン。と、止まった? 助かったのか?
「た、助かったんですかぁ?」
「よくやったわ、有希! ほんと有希がいればパロムポロムいらずね」
どこの双子の話だ。
「ご存じないんですか? パロムポロムというのはですね…」
いいから、おまえは黙れ。俺が頭を抱えながら、長門に目をやると、彼女はフトコロからまた分厚い本を一冊出すところだった。四次元ポケットかよ。
「技術的には可能だ」
長門ならどこでもドアも出せそうだな。

カズムシティ (ハヤカワ文庫SF)

カズムシティ (ハヤカワ文庫SF)

啓示空間 (ハヤカワ文庫SF)

啓示空間 (ハヤカワ文庫SF)

イリアム (海外SFノヴェルズ)

イリアム (海外SFノヴェルズ)