「ぶぇーっくしょいっ。ちくしょい」がかわいい。

「ぶぇーっくしょいっ。ちくしょい」
おれが中学のころ、世界の男はすべて敵みたいに思っている女の子っていうのがいてて、そしてその女の子はくしゃみのあとに必ず「ちくしょい」って付け足してた。その当時は、なんかおっさんみたいなオンナだな、なんて思っていたのだけど今思うと懐かしい。多分おれは彼女のことをすきだったんだと思う。
この「ちくしょい」にははにかむ気持ち、恥じらいの心が込められているんじゃないかな? みっともないくしゃみしちゃったよ、で、でも別にくしゃみなんてフツーじゃん、は、はずかしくなんかねーよばーかばーかって思いながら心の中では顔真っ赤にしてでも口に出して「ちくしょい」をつけたしているような、そんな感じ。かわいくないわけがない。
他に似た感じで言うと。
電車の中でガックンってなって、でも寝たふりを続ける人を見ると、かわいいって思うのに似てる。ダイアリーで、文章にオチをつけずにいられないタイプの書き手を見ると、かわいいって思うのに似てる。書いたあとにふわふわつかみどころないよこの文章なんだか落ち着かないよ、なんてこと考え考え、その落ち着かない気持ちを紛らわそうとして、文章にオチをつけているような。そんな思いが見え隠れして、なんだかかわいいなって思ってしまうんだ。そうゆう文章、読んでて気持ちがよくなるんです。男女は問わないよ。問わないってば。
あと、そんな視線でおれの(わたしの)ダイアリー読んでるのかよ、オーシマ気持ちわりーなーって思ったあなたは正解です。おれもなんかキモイと思う。