おまえなどメガネがお似合いだ / 告知その一

「おい!」鋭い声が渡り廊下に響く。
「おい!まてよ!小竹!!」
小竹と呼ばれた男子学生がゆっくり振り向く。メタルフレームの奥に鋭く光る眼光。
「なんだ。佐々木か」
「なんだじゃねぇ!てめぇ、井戸たちに言ってたそうじゃねぇか!おれにはメガネがお似合いだとかなんとか・・・」
「ああ。言ったな」
ブチっ
「てんめェー。ふざけんなよ!」佐々木は右腕をテイクバックさせおもいきり小竹の顔面に殴りかかった。
殴りかかる佐々木に、小竹は逃げるどころかついと間を詰め体を沈める。
(う!しまっ!カウンター?!やられる!!)
思わず目をつむる佐々木。
?!殴られてない?佐々木が覚悟を決めて目を見開くと鼻頭にほんのわずかな違和感、そして眼前で止まった小竹の人差し指と親指は黒いセルフレームのブリッジをつまんでいた。
「な?!」
小竹がゆっくり指を離す。佐々木は両手で自分の目元に手をやった。メガネだ。まるでかけている気がしない。なんというフィッティング。
「秋の新作だ。調整してある」
「小竹・・・」
「おまえにはメガネがお似合いだと言ったろ?」*1
 * * *
ここで告知。
メガネナイト vol.2

*1:参考:日本の眼鏡職人シリーズ http://www.meganepark.biz/syokunin/syokunin.htm