あのころおれたちは女子の寝相と胸のサイズの関係ばっかり考えてた。

中学生のとき、クラス一のエロ博士(たいていいるよねそういうあだ名のヤツ)が、仰向けに寝てると胸が小さくなる。胸がでかい女子は横向きに寝てるはずだ、とかそういうことを言い出しまして、勇気のあるオトコノコがそれとなく女子に聞いて回ってたことがありました。
「なぁなぁ、寝るときって仰向け派? 横向き派?」
「横向きかなぁ」
「やっぱり!」
とかそういう。そんでこのときのことを思い出して、今改めて思うのは仰向け・横向きの寝相とバストサイズの関係が医学的にどうだとかいうことよりも、中学生男子ってバカだねーっていうことですね。中学生男子がっていうより、中学生だったころのおれたちが、が正しいですが。

ネオロマンティック

「こういうのもかわいいでしょ? ネオロマンティック系」
ネオロマンティックってよか、ニューロマンサーっていったほうがしっくりくるけどな。

という会話芸を考えていたのですけど、そもそもギブスンはニューロマンサーに《脳神経・使い》って意味だけじゃなくって《ニュー・ロマンス》(新・ロマンス)って意味も込めてる気がするので、おれはダメだーと思った。ギブスンの手の上で踊らされている。

都庁一閃

轟音とともに、ビルが崩れる。もうもうたる土煙が周囲のビルを飲み込む中、その豪煙からふたつの影が細く煙の尾を引いて宙に飛び出す。
「センパイちょっと待ってください。自分が何斬ったかわかってます?」
「都庁でしょ?」
「そうです都庁ですっ! 都庁は斬るもんじゃありません!」
「えー、でもー、今宵のマサムネは血に飢えておるってゆうかー?」
「かわいこぶってもダメです。今、夜じゃないし」
「いいじゃん。かたいこと言うなよ」
「だいたいなんで都庁斬らなきゃいかんのです?」
「そうしろと囁くのよ。私のムラマサが」
「マサムネじゃなかったんですか?」
「どっちでもいいわよ。私はビルが斬れれば、それでいいの」
「ビルが斬れればて、タランティーノじゃあるまいし」
「! うっわ! それダジャレ? それダジャレ?」
顔が真っ赤になる。
「末代まで語り継げるわー、そのダジャレセンス」
「もーいいです! センパイはビルでも星でも斬っててください!」
「怒った? 怒った? あははは。キミって怒った顔もかわいいよねー」
どんだけ顔赤くさせりゃ気がすむんですか。センパイ。