脳にインデックスだけを格納するオタたちの未来を妄想していました。

外部ストレージに保存した記憶が脳内記憶に匹敵する位の検索性を有しちゃったお陰で脳味噌側にはインデックスおいとく位で十分オタ思考が可能になっている気がする。
http://d.hatena.ne.jp/pbh/20071002/1191300012

「確かにそう。脳にはインデックスだけを置くべき。というより……」
「というより?」
「そうしないと安心できないはずなのよ、情報というものの本質を知るオタクさんたちは。情報を脳内にストレージするとき、ストレージした瞬間から情報は陳腐化するんだもの」
「覚えた情報はすでに古くて価値が消失しているかもしれないという不安が、旧来のオタにはつきまとっていた?」
「もちろん、考えないようにしていたとは思うけどね」
「いずれにせよ、インデックスとアクセスキーだけを脳に持ち、情報は外部環境で自動更新させるべきなのか」
「ただあのときを境に、事態は変わった」
「……」
「情報量の増加速度が、インデックスの整備速度を越えたあのときから」
「あらゆる目録と要約と脚注とガイドブックとコンシェルジェとシェルパを持ってしても、真実にたどりつけるとは限らないってことだな」
「インデックス整備ソフトの性能が上がったことも一因ね。優秀な誤り補正機能が恐ろしいほどの参照深度で相互参照を始めたわ。もはやインデックスがインデックスたりえない。真実は私たちの前から無限後退しつづけるの」
「……だからこの計画を思いついた? ネットを破壊するこの計画を?」
「そうよ。だってそうじゃない? アクセスできない情報に価値はないわ。人は手が届く範囲の情報、管理可能な情報だけで満足すべきなの」
「……。《ヒトには知らないほうが幸せなこともある》って、こういうとき使えばいいのかな?」
「さあね。《知らないわ》」
そういって彼女は焚書ウィルスを起動した。