人生に必要なことはすべてあだち充さんに学んだ。

人生に必要なことはすべてあだち充さんに学んだといっても過言ではないと思うのだけれど、例えば有名なところでは《屋根》の下り。
主人公が女子に露天風呂の眺めを聞く。女子は「塀が高くて、山寺の屋根ぐらいしか見えなかったよ」*1と言い、そして主人公は導き出す。
「寺の屋根ぐらいしか見えないってことは、寺の屋根から見えるってことだ」
ここ! 肝要なのはまさにここだ。相手に警戒心を抱かせずに彼女自身の口からピーピングポイントを聞き出してしまう話術。正面玄関からノックして泥棒に入るかのごとき大胆さ。さすがはあだち先生である。
だがもちろんあだち先生に先んじる偉人の言葉に、「敵を射程に入れるということは、敵の射程に入るということだ」とか「深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ」なんてのもあるので注意が必要ではある。「屋根しか見えない」という女子の回答は、質問者たるあなたをそこにおびき寄せるためのエサかもしれないからだ。
じゃあどしたらよかんべというあなたの疑問にアドバイスさせていただくるに、いわゆる発想の転換というか、仮に女子側から見られてもOKな状態で臨めばいいのである。コートの下は全裸とか。

*1:うろおぼえ