小学生が訴える選挙ポスターを見るたびに、世界の不完全さに心震える。

小学生が描いた「清き一票を」的なポスターを見るたびに、おれは世界の不完全さに心が震えるのである。すごく興味深い。
そもそも選挙システムが完全に稼動し、投票率が100%の世界であるならば「投票行為」そのものの重要性の告知・リコメンドなど不要なわけである。だが世界は投票を行わず、選管は選挙に無関心なユーザを放っておくことができず、学校は選挙権のない「子供」の力を利用して《投票》を訴える。
視聴率を気にするがごとく投票率にビンカンな選管、先生にポスターを描かされる小学生、それでも選挙に興味がない権利者、誰もがひずみを感じながら《選挙》という仕組みに飲みこまれ、動かされている感じはなんだか不思議で面白い。
世界は不完全だからこそ面白いのだろうな、と漠然と思う。
そして考える。遠い将来、投票率100%になった世界での小学生が描く選挙ポスターはどんなテーマになるんだろう? 好きな立候補者を描いてポスターにしろ、なんてことだけはやめてほしいな、と思う。それだとありきたりでつまらない。