美少女がエレベータに乗るやブザーがなったときあなたがとるべき行動。

本来であれば女性が乗った場合は重量オーバーブザーはなるべきではないとおれは思っているのだけれども、それが技術的に難しいのであれば別の策を考えねばならないのである。その美少女の心を傷つけずに彼女を救い、そして自分のことを彼女に覚えてもらう方法を、だ。
ここで初心者が陥りがちな過ちは「自分が下りて、彼女を乗せる」である。それでは彼女に覚えてもらうことは不可能だろう。「あ、おれ階段で行くから。十階くらい平気だから」などといって非常階段を二段飛ばしで登り、先回りなんかして「ほら……ね……ゼィハァゼィハァ」ではただの危ない人である。かといって「あ、おれ下ります」では最初から乗るなよと彼女に思われてむしろ逆効果。
そこで考えたのだが、墜落しそうな飛行機でとるべき行動を思い出すのだ。つまり重そうな荷物は捨てる。君は手にしたダレスバッグを床に放り「さぁ」と言って彼女に手を差し出すべきなのだ。
君は彼女に感謝されるばかりか、周囲のひとびとには、あの少女はバッグよりも軽いんだなと印象づけることすらできて美少女も大喜びである。降りる階までのわずかな時間で君と彼女は無言のまま互いへの好意を育むことができるのである。