漫画家がストライクゾーンを見極めるサマはライブでこそ楽しめる。または最近の週ジャンの話。

少年誌におけるエロ描写というのは作者にとって毎号が挑戦と調整の連続であるというか、ひらたくいうとピッチャーが審判のストライクゾーンを見極めるためにきわどいコース球で確認作業を行うことに似ている。
「コドモにこんなものをよませるなんて」層という巨大で得体のしれない「審判」が何をOKとし、何をボールとするか。これは作者と編集者が逐一確認していくしかない。
通常この確認作業は作者対審判で行われていくが、マウンドに立つピッチャーが複数になるとよりきわどいコースを狙うようになる。互いに切磋琢磨し、きわどさを競うのである。週ジャンでいえば、エム×ゼロToLOVEるである。
二人はよきライバルだった。若干ToLOVEるのほうがお尻にスポットをあてがちなくらいで、双方いい勝負をしていた。
だがそこに巨人が現れる。ラルΩグラドである。ラルΩグラドの作画担当小畑はデスノートを成功させた巨人。少々、過ぎたエロを描こうが審判も大目に見ちゃうのである。世にいう小畑ゾーンだ。広大なるストライクゾーン。
しかも「エロもあるけどお話も面白い、むしろエロはサブ」などとまさに「不良が見せる優しい一面理論」てき擁護すらちらほら垣間見えるほどで、小畑エロライクゾーンの拡大は留まるところをしらない。
この巨人ラルΩグラドの直接的なエロに対し、エム×ゼロToLOVEるがどこまで際どいコースを狙ってくるか。
今の週ジャンは、この三者のあくなきエロへの挑戦こそが面白いのである。この戦いはライブでこそ楽しめる。さああなたもこの勝負の行方を見届けるのだ! 

(週刊少年ジャンプは毎週月曜日発売です。一部地域を除く)

エム×ゼロ 1 (ジャンプコミックス)

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To LOVEる -とらぶる- (1) (ジャンプコミックス)

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