七夕飾りを見ると恐怖する。

太く巨大な竹ですら幾百幾万と吊り下げられたヒトビトの欲望に鎌首もたげざるをえない、げに深きは人の業…みたいなところに七夕の恐怖を覚えなくもないと思ってた去年までのおれなのですけど、ちょっと考えを改めたとゆうか。いやそれよりむしろ世界中でいちどきに「星に願いを」かけている、そのスケールのでかさになにか陰謀めいたものを感じるのです。そっちのほうに恐怖する。
欲望ってのは多分ベクトルでできててその大きさもまちまち、普段は方向もあっちこっち勝手に向いているのだけれど、7月7日だけは違う。ヒトビトは短冊に欲望を書き連ね、軒下に並べられた七夕飾りたちはすべてその欲望の矢をベガとアルタイルに向ける。ニンゲンドモの莫大な欲望を一夜にして吸収し、その力をより強大なものとする「ある存在」が見え隠れする。そうです。5000年前の中国に七夕の風習を植え付け、今日の「欲望吸収装置」を形作ったこれは、やつらの、ベガ・アルタイル人の陰謀なのですよ陰謀。
そんなふうに考えるとなんだか、夏の大三角や天の川がロープレのラスボスに見えてこない?