それがガラスなのか鏡なのかで世界はがらりと様子を変える。

うちの会社、墓地に囲まれた立地のせいか夜になると窓の外に何かの気配を感じたりするのだけれど、そんな得体のしれないもん直接目にしたわけじゃないから気にしたこともない。だいたいAIやらサーバのなかにだって幽霊がいるご時世、オバケごときじゃ驚きもしないっつうのな。仮にいたとして。
そんで今日も今日とて夜の9時まで得意先打ち合わせして、ひいひい言いながら帰社しちゃ「あーうぜーなー、爆うぜぇ」なんてこぼしこぼしカップめん食ってたら出た。出ました。「ぎゃーオバケー?!」ガラス窓の向こうになんか白いの漂ってて、おいおいここ三階だぜ、どうなってんだよマジしゃれになんねぇちょっと人気のあるほうへ行こう。あわてて階段かけおりたら、つい足すべらせて、あ、まじぃ。これヤバイ。頭、打つ・・・


気付いたらどこもなんともなかった。あーあ驚かせやがって。だいたいオバケとかいるわけねぇじゃんねバカらしいホントバカらしい。ちょっとコーヒーでも飲んで落ちつくべ。ポケットから100円を出し、コーヒーサーバに手を伸ばしたちょうどそのときガラスの向こうにまた! 白いの! 「っぎゃーーー!!」


違った。ガラスじゃなかった。鏡だった。