去年のおれは「なんで女子高生は青いブラばっかりなのか」と思っていた

6月。衣替えの季節。去年のおれは「なんで女子高生は青いブラばっかりなんだろう」とブラウスの背中を眺めていたのですけど、そして当時は「じゃあセットでパンツも青いのだろうか?」などと幸せのメーテルリンクを探しては森をさ迷い歩いき、いや森というかもっぱら駅を歩いてチラチラ見チラしていたのだが、だが今年のおれはちょっとちがう。
女子高生が青いブラばっかり」という謎は本当に謎なのだろうか? いやむしろ。いやむしろ、おれが青いブラの女子高生にばかり目が行ってしまっているだけで実際には赤や黄色やいろとりどりの野に咲く花のような夢の世界が広がっているのではないのか? そうかもしれない。心の中にいるもう一人のおれがひどく納得しながら、だが、とつぶやいた。だがおれは青いブラが好きなのだ。それで何が悪い? 好きなものは好きと言える気持ち抱きしめろバカ
そうか。おれは心の中のおれにあきれ返りながら、視線を前にやった。今度も青。