サンデーの結界師が面白いのだけれど、でもなんかもったいない。(今週号のネタバレあり)

サンデー連載中の結界師が面白いのはみなさん周知の事実だと思うのですけれども、じゃあ何が面白いかってゆうともちろん「結界」ですよ「結界」。
WEBサンデーサイトで第1話(http://websunday.net/rensai/read/kekkai/page01.html)が読めるのですけど、ここで主人公の使う武器「結界」のルールを読者に提示してるわけです、いきなり最初に。読者に「結界」ってゆう小道具のルールを先ず晒し、その上で「このルールを破ったりずらしたりして読者であるおまえらを驚かせ裏切るオハナシを描きますよ」って挑戦してる。このスタイルは例えばハンタのGI篇で呪文カード一覧を最初に提示し、読者の読みに挑戦した冨樫義博のやり方に似てる。
結界師では最初のうちは第1話で提示した結界術で妖怪を囲み滅することしかしないのだけれど、話が進むにつれ結界を足場にして空の敵を追ったり、敵の攻撃を防御する壁にしたり、細い棒状の直方体にして妖怪を串刺しにしたり*1して、最初に提示された結界ルールに縛られてる読者を裏切ってはワクワクさせる。
こういった結界への創意工夫でワクワクさせるだけでなく、物語の中でも「結界なんてものが立方体であることは不自然だ。普通球体なんじゃないの?」「神様のいる沼や主人公が守る土地の力もどうやら結界らしくそしてそれは立方体じゃない」的な発言や表現を匂わせておいて、そしてついに今週の「結界形状の大幅な変更」を達成。伏線から予想できるわけだけれどもそれでも最初の設定からしたら、やられたー裏切られたーって思える。ちょう燃えるよ、燃える。「結界師」の結界設定だけはマジガチだわ。ほんとすばらしい。
と持ち上げておいてなんだけれども結界師はちょっと大きな問題を抱えていて、脇キャラを描かなすぎる。ドラマもへったくれもないままに登場しては即退場していく様は、結界の設定が面白いだけに本当にもったいない。特に現在の黒芒楼篇はキャラの描かなさ、ドラマの唐突さ、各キャラ行動の説明不足が目立つ。ちょっと残念です。でもオススメ。

結界師 (11) (少年サンデーコミックス)

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