洗濯機殺人

ミステリとかほとんど読まないおれなのですけど、こと殺人トリックを考えるのは三度の飯の次の次の次くらいに大好きでして、例えば洗濯機殺人。
トイレットペーパーを丹念に拠り合わせた糸の一端を洗濯機の洗濯槽に、もう一端をガスの元栓部につなぐ。彼女が仕事で疲れきって帰宅しとりあえず脱いだものを洗濯機に放り込み洗濯機を回すやベッドにバッタリ。回転しはじめた洗濯槽が糸を巻き取り、ガスの元栓が開かれて彼女はガス吸引で死亡し、洗濯槽に巻き取られたトイレットペーパーはすすぎ、脱水の過程で水に溶け証拠も残らない。まさに完全密室殺人!そう思っていたのに、なんで?なんで失敗したんだ?
おまえの敗因は、洗濯機を殺人の道具に使いながら洗濯機のことを全くわかってなかったってことだ。やわらかもみあらいモードでは洗濯槽は左右交互に回転する。当然、糸は巻き上げられずガスの元栓も開かない、そればかりか生地も傷まず仕上がりもソフト、洗剤の量も抑えられて経済的なのさ。そういって刑事は洗濯槽から拾い上げた彼女のブラをおれに手渡した。Gカップだった。