公立温水プールで見たどうしようもない世界の美しさ。

昨日近所の公立温水プールに行ったのです、大型焼却炉に隣接し、廃熱を利用したタイプのプールに。そこで夢見るような出来事にでくわしたので、お伝えします。みなさんメモの用意はいいですか?言いますよ?
温水プールの女子監視員は水着に黄色のライフガードTを着ている。そしてTシャツの下から顔を出している水着の前の部分を、つつましやかに隠すかのごとく小さなタオルを引っ掛けている。まるでカフェタイプのエプロンのように」
みなさんの豊かな想像力を駆使するまでもなく、目をつぶればありありと思い浮かぶことでありましょう。黄色地に赤のライフガードのバックプリントTの下から、スラリとのびる競泳水着の切れ上がったヒップライン、そのまま水着のラインは一旦ハイレッグなカーブを駆け上りTシャツの中へ消え、そしてTシャツの中から再び姿を現したラインが彼女の前面へ消え行くその刹那、エプロン状のタオルに隠されてしまう。潰えた夢。真実の隠蔽。そう世界はいつだってボクたちの前から真実を覆い隠してしまう。そのままボクらが肩を落とし背を丸めて真実から目を背けようとすると、「こらっ!プールサイドは走っちゃダメだゾ!」反対側のプールサイドを走る小学生のグッドなジョブにより彼女は少しだけ前かがみになり、世界は気まぐれに真実を垣間見せる。ボクたちの心は翻弄される。まるで嵐の海に浮かぶ一艘の小舟のように。つむじ風に巻き上げられる木の葉のように。
そしてボクらは思い出す。アウシュビッツで見上げたあの日の夕焼けを。けして届かないまばゆい光を。世界は残酷で、そしてこんなにも美しい・・・。
この素敵な真実を知らぬまま皆さんがその短い人生を閉じてしまうのはまっこと口惜しいので、もし人生に御用とお急ぎでない方は是非お近くの公立温水プールにお立ち寄りになるといいと思った。公立温水プールがないようでしたら、まずは大型焼却炉の誘致からはじめてください。