雲のむこう、約束の場所(あんまりネタバレはないと思う)

やっとで見たお。この作品も語りつくされていると思うのでたいしたことは書けない。
要約:・・・渋谷系

SFは「絵」だなって感じさせる作品。日常的な絵にちょっぴりスパイスを効かせる「蝦夷に立つ巨大な塔」。それだけで見て引き込まれる「絵」になるよね。「平和そうな公園に羽美ちゃんを配置するだけで一転、猟奇的な現場の絵になる」と、かの久米田康治先生も言っていましたし。言ってません。
内容は平行宇宙SF。平行宇宙は宇宙の見る夢であるという理論(?)をベースに、人の夢と宇宙の夢(平行宇宙)はどこかでリンクしてるんだと、そんなSF小道具を用いる物語。結構好きです、こういうの。富沢ひとしのミルククローゼットとかスキですし。
ただ見所はSFじゃない。見所はどこまでも広がる空と雲と平原で、イメージ的にはmixiのログイン画面。つかmixiに喩えられてしまうアートワークっていうのも失礼な話ですごめん。そしてその空気の中に配置されたドリカム構成の少年少女、そこで描かれる少年時代の捉え方にはちょっとキました。中学3年生〜高校3年生を一つの「ワク」として捕らえた「4年間」という少年時代の切り取り方。連続と断絶、期待と不安が入り乱れるあの4年間。オトナになるには短いけれども変化を感じないほどには短くない少年の4年間。多分これが高校3年間+大学1年じゃダメなんだろうなとかそんなことをぼんやり思いました。この「少年時代の切り取り方」にちょっとグッときた。
ただこの男の子の気持ちがわかるかわからないかって言われると、わからないでもない程度だし、ヒロインの少女にも1ピクミンも反応できなかったのだけれど、この作品をつくった作者にはちょっと興味がわいてきました。「ほしのこえ」も見てみようと思った。
ほしのこえ [DVD]

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あと主役の声が吉岡秀隆さんでなんだか声がふにゃふにゃしていて、あと歌とかもウィスパーボイスなので、この作品は俺の中で渋谷系に認定されました。おれはいま多くのひとを敵に回しました。((とゆうか自分の無知をさらけ出しただけでした。だって渋谷系って言ってみたかったんだもん。そういうお年頃なんだもん。