フェンシングが詰め将棋のようなものであるように、この行為もまた

「フェンシングとは日本の詰め将棋のようなものだ」といったのはMASTERキートンの先生ですけど。
私もつねづね同じことを感じていて、例えば「パンツが見えてしまうこと」もまた「詰め将棋」のようなものではないか?と。実際には「仮定」の上に「仮定」を積み重ねた「ゆるさ」があるので厳密には「詰め将棋」とはゆえないのだけど、それは大目に見てもらうとして。
今朝の話。私が足早に飯田橋駅を歩いていると前方にちょうミニスカのアキラカにモデル系美少女。両手にはヴィトンのバッグとポール&ジョーの紙袋の大荷物。
仮定1:彼女は私と同じく大江戸線都庁方面に向う。
早足でエスカレータを降り彼女を追い越す。行き先は不明だけれどここは仮定に基づき彼女の前に出る。ミニスカの女性は背後の視線を気にするので後ろは歩きづらいからね。今は日曜の朝。電車もホームも空いている。次の電車が来るのは5分後。ここで
仮定2:休日の朝早くなので彼女、化粧も甘いはず、電車が来るまでベンチで化粧を直す。荷物が多いこともこの仮定を強化する。
私はベンチそばの乗車口に立ち携帯ではてな。うしろから歩いてきた彼女はベンチに座り化粧直しこそしなかったけれども手鏡を見つめている。電車がホームに入ってくる。車両内を一瞥し彼女の乗車ドアのひとつ隣からさっと乗り込む。シートにはおっさんとおばさんが数名。彼女が座席についてから自分の席を決定するのは明らかに不審。先手をうち彼女が自分で自分の席を選択したと思い込ませてこちらのカードをつかませる。マジシャンズ・セレクトを狙う。
仮定3:彼女はおっさんを警戒しておっさんの向かいには座らない。
私はおっさんの横にあいていた3人分のスペース「■■■」に「私■■」と座る。チェック(王手)。大江戸線の構造だとこの位置取りが絶対的な良ポジショニング。席を見渡した後、彼女(女と表記する)は「私■女」と一座席を空けて座る。チェックメイト
車両が走り出しホームの明かりが届かなくなると、とたん窓ガラスは鏡として機能しはじめるはずだし、大江戸線の構造(車両の狭さ・窓の大きさ)からこの位置取りなら入射角と反射角を一致させることができるワケで、そして私は飯田橋駅から緻密に積み上げていった手の数々に、その結果「偶然パンツが見えてしまう」とゆうサプライズの到来の予感に大変満足した・・・
のだけれど、この美少女のヤロウ、大荷物をひざの上において100%防御。陥落ならず。まさに鉄壁。ははは。まったく神様ってば最後の最後にやってくれる、やれやれだぜ。ほんと幸運の女神は容赦(mercy)ないよな。ノー・マーシー