ジャックナイフ

今日ちょっとありえない光景に出くわしまして、おれがトイレで手を洗っているとうしろからどすどすどす、がちゃっ、あ、社内NW管理のオッサン。ネルフカップを大事に使ってるオッサンなのですけど、そのオッサンそのまますごい勢いで大トイレをバタン、ガチャ、ブリブリブリー。うわくせー、てあれ?ちょっと冷静に考えるに、え?え?ありえないでしょ、それありえない。だって人はトイレに入ってからベルトを外してズボンをおろして座ってそこではじめてブリブリブリーてなるわけで、でもオッサン、ドアを閉めると同時にブリっててどうやったらそんなすばやく臨戦体勢移行できたのか想像つかない。けど目の前で現実にソレはなされたし、いやいやでもでも普段モソモソしてるあのオッサンがそんなすばやい動きをこなすとは思えないしとかとかモンモンとするも、ふとあることを思い出す。
銃は抜く、狙う、撃つのスリーアクション、ナイフはそのすべてをワンアクションで行える、だから銃はナイフに勝てない。MASTERキートン
「おっさんの行動」と「ナイフは銃より強しとゆうロンリ」との間にはまるっきりつながりは見出せないけれども、動転しているおれに差し伸べられた唯一の手がかりであることに変わりなく、そうだそうだ、きっとかれはジャックナイフなんだ、だからワンアクションでブリれるんだと思うことで、そう思い込むことで当初のつかみ所のなかった謎に自分なりのてざわりを、恐怖を押さえ込む現実感を与えることができたのだ。人は理にすがりつくことで安心を手にいれるのだ、事実おれはそのわずかな理にすくわれたじゃないか、などとひとりごちていると、ん?オッサン?ゴゴゴゴ、ジャバシャーー、ガチャ、どすどすどす・・。・・あれ?・・カラカラカラって音が抜けてるよ?紙は?紙で拭いた?もしかして紙、不要?キレが良すぎる?ナイフなだけに?