当時ぼくたちはクラウドのつぶやきに意味を見出そうとしていた。

当時ぼくたちは、クラウドのつぶやき、彼が魔晄中毒にかかっているときのあのつぶやきに、なにか意味を見出そうとしていたと思う。
「百億の 鏡のかけら 小さな灯火 とらわれた 天使の歌声・・・」
そして今日、すこしだけその意味がわかったような気がする。「小さな灯火」はひとつひとつのサイトの光・情報の灯火だ。それを「百億の鏡のかけら」が映し出す。キャッシュし、ミラーされる。情報は再編成され昇華され、新たな価値を付加して供される。「とらわれた 天使の歌声」に成る。
クラウドのつぶやきは続く。
「百億の 鏡のかけら 小さな灯火 とらわれた 天使の歌声 グーグル・ギアス」
そうか。そういうことだったのか。グーグル。

バナナ考えたヤツ天才じゃね?

よく言われることだけどバナナ考えたヤツは天才すぎるというか、でもだってまず皮がヤバイ。外皮ヤバイ。剥きやすい。スイカやメロンはバナナ見習えっつー。
そりゃみかんも剥きやすいよ? でも薄皮ジャマ。薄皮食うんか出すんかで人間を悩ますとこがダメダメ。その点、バナナは外皮オンリー。しかも種もない。種なし。種を出すアクションが不要。ワンアクションで食べられる。ワンアクションフード。
食べるペースも調節できる。大きい口なら一口で、小さい子ならそれなりに。外皮はソフトクリームのコーンみたいに持ち手にもなっちゃう。なんという食べやすさ。なんという無駄のないインタフェイス。
外皮のないイチゴなら、皮剥く必要ないじゃんとか言う。ほら、きた。じゃあイチゴさん聞くけど、おまえ農薬からガードできんのかよ。バナナの外皮は防毒、保湿、長期保存ばかりか、携帯性にもすぐれちゃってる。直接、持って散歩に行ける。
あと房。バナナってばちょう房。一本だけじゃなく、複数本を一括で扱える。ワンハンドでキャリーできる。すごい。バナナすごい。
丸くない。坂道でコロコロ転がらない。転がりリンゴによる交通事故が多発する現代社会において、バナナなら坂道の事故ゼロ。落としても安心。バナナは安全をもパッケージング。
ほんとにね。ほんとバナナ考えたヤツ天才。つーか、神?
……神?
そうかもしんない。バナナ作ったの神って比喩てきな褒め言葉じゃなく、文字通りバナナ作ったのは神。そしてこんだけバナナが人間向けに作られてること考えると、神って意外と人間のこと気にかけてる。人間のためにちょう尽くしてる。バナナ作って尽くしてる。
ハハハ、神のやろう、人間のごきげんとるためにわざわざバナナ作ってたなんてね。あーみえて、結構カワイイとこあるんじゃん。