ペットボトル礼賛

その昔美少女らがお茶を嗜む場合とゆうのは、きまってお上品な茶器でちびちびと飲むものだったのかと思いますけれども、時ふりて現在、技術の進歩によりペットボトルが普及してからとゆうものの、美少女らはその手にペットボトルを持ってお茶をあおるようになり、その最後の一滴を飲み干さんと大きく天を仰いでそしてその美しい首筋をわれわれの眼前にさらすわけです。なんと美しい。なんと神々しい。技術の進歩はこの世にまた新たな美のシーンをつくりたもうた、ありがとうありがとう、ペットボトルの神様ありがとう。
そして舞台は9月1日の新宿へ。今日も今日とて、25歳美少女SE(既婚)が澄みきって香ばしいこと山のごとしたる爽健美茶を飲んでおり、彼女があとわずかで飲み干さんとペットボトルを天に向けたその刹那、彼女の口元からひとすじの黄金色のスジがつたい落ち、鎖骨の間を抜け胸元の深い谷間に消え、静寂。「ひゃっ」と短い声をあげ恥ずかしそうに周りを見渡す彼女は、おれの視線に気付くや、恥ずかしそうにうつむきペロっと舌を出しながら「見ましたね」なんて顔をする。ってバカーー、もちろんしねぇよ、そんな顔、漫画じゃあるまいし。ジロっと睨まれてからずっと、今もまだ無視されてるっつうの。なんか避けられてるっつの。ぐすん。