きみにブックマークしたい。

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ブックマーク妄想が流行っているのでおれも妄想してみた。
＊　＊　＊
真奈美のヨーロッパ留学を知らされたのはつい先週。互いに忙しくてほとんど話ができないまま、おれたちは成田のゲートに立っていた。
「ね！じゃ、いってくるからさ！応援しててよ！」
「・・・あぁ。」
「なんか暗いぞ？たかだか2年なんだからさ」
「そりゃそうだけど」
フライトの時間がせまる。真奈美は思い出したように手荷物から一冊の本を出した。
「ね。借りてたこの本、あずかっててよ」
「本くらいやるよ」
「ダメ！そうそ。この本、ここまで読んだんだ」
ページをめくる手を止め、おれを見上げる真奈美。
「紙あるかな？」
おれがノートの切れ端を渡すと、真奈美は何かを書込みそして本に挟む。
「これがしおり。そこからまた読める」
「それはわかるけど。2005/6/16って今日の日付・・」
「うん。そうだよ今日の日付。そこにはさんでおくから。じゃ。また二年後。帰ってきたらつづきをはじめようよ！」
ちょうど2年前、そう言い残して彼女がくぐっていったのと同じ成田のゲートに、いまおれはいる。あの本を持って。

とかこおゆうハズカしい文章を書くとヒトは軽く3回は死ねると思った。恥死。あとおれはブックマークの方で「菅谷梨沙子にブックマーク」と書いてしまっていて、当初、上の妄想を菅谷梨沙子さんで書いてましてでもそれは何かと犯罪なので小西真奈美さんに置き換えた。どっちにしろ変態。