世界がツマミひとつでチューンできればいいのに

初音ミクの人気を説明するつもりはないのだけれど、ただ初音ミクなりああいうソフトなりがすばらしいのは、いままでコントロールが不可能あるいは難しかったものがコントロールできる・チューンできるようになったことだと思う。
同じく、セカンドライフアバターデザインのコントローラブル感も楽しい。ツマミひとつでTシャツの丈をのばしたりチビTにしたり、筋肉を太くしたり細くしたり、毛髪をもっさもさにしたり中途ハンパにして頭頂部だけハゲあがったり。肉体のどの要素をコントローラブルなパラメータとし、チューン可能な対立軸をどう定めるかっていうのは製作者の職人芸に頼る部分があるかとは思うけれども、そんな苦労は利用者は気にしなくていい。
要は世界がツマミひとつでチューンできること、それがすばらしいのだ。


この「世界をチューンできること」をすばらしいと感じる気持ちが初音ミクへの期待やMAD職人への賞賛にもつながるのだろう。もちろんその気持ちの根底には、もしかしたら現実が変えられないことへの反発・世界への絶望があるのかもしれない。
あるいは世界が変えられないのなら自分をチューンしたい、未来の自分はこうありたい、という方向に気持ちが向くかもしれない。「しゅごキャラ!」が子供たちだけでなく大人のお兄さんに人気なのもそういうコトゴトの表れなのかもしれない。


いずれにせよ、世界がコントローラブル・チューナブルであることを感じさせてくれるソフトや作品がおれの心に響くのは事実なのであった。おれは初音ミクしゅごキャラ!も大好きなのだ。大好きなのである。
最後に、こんなおれの《今》にぴったりの歌があるので張ります。歌うは田中ぷにえさん。曲は「願い、明日、夢」