尾田栄一郎は三度、神を殺す

今週のワンピ表紙漫画から目が離せない。エネルが月面遺跡にたどり着いたアレだ。


空島篇で残された謎といえば、青海のジャヤ人とスカイピアの住人のどちらにも翼があったことなわけだ。当時のおれたちはジャヤとスカイピアは祖先が同じでそのことを知らずに時を経て出会った彼らが偶然にも争う構図が悲しくもおかしいのだ、などと妄想したものだった。この謎は本編で語られぬままだったのだけれども、今週の表紙漫画でその妄想に近い展開が出てきたのだった。




空島篇は神にまつわる話だった。


伝統に束縛されたジャヤは《妄信すべき神/敬うべき象徴としての神》を殺す。神という呪縛から放たれたジャヤは空の上で再び傲慢な神に出会う。今度の神も殺すべき神。
《憎むべき象徴としての神》。その恨みは数百年引き継がれる。


現代。エネルという神は人々に絶望を与える。もはやなすすべもない人々は、我知らず神に祈る。《神》の再生。人々が再度神に命を吹き込む。


エネルを倒し、スカイピアとシャンディアの住人たちは手を取り合い、前神ガンフォールを新たな長として迎える。このとき《憎むべき象徴としての神》は死ぬ。神は二度死ぬ。


そして今週のワンピ表紙漫画である。異星の超文明とそこに刻まれた歴史からエネルが真実を知るとしたら、そこでエネルは神を見つけるのか、それとも彼が神という立場に抱いていた幻想・妄想が死ぬのか。神が再生するのか、それとも死ぬのか。どうなるんだろう?
尾田栄一郎のことだから、神を殺すんじゃないか。神は三度死ぬんじゃないか? なんだかそんな予感がしてワクワクしちゃってる今日のおれなのである。