ちんぽこ問題
「天皇の一人称は朕」とどこぞで聞きかじってきたコモリが国語の先生捕まえて「じゃあちんぽこは朕の矛(ちんのほこ)ってことですかね?」と質問投げかけたのは中一の夏だったと記憶している。
そして当然かつ必然としてクラスで大激論が巻き起こったのだった。
「ちんが朕だとしたら、じゃあ『おまえのちんぽこ』とかおかしくね?」
「牛から落馬みてーな?」
「じゃあ他人のちんぽはなんて呼ぶんだよ?」
「『貴公のぽこ』でよくね?」
「なげーよ」
「ところでおれ気付いたんだけどちんぽこが矛ならキンタマは玉だけ指すんかな?」
「当然じゃね?」
「当然だな」
「そーか。ちんぽことキンタマは別なんだなー」
「ためになるなー」
そんなクラスのざわめきをよそにおれは一人、窓の外を眺めていたように思う。どこまでも続く青空のその向こう、遠くイギリスに思いを馳せて。やっぱイギリスの中学生はシェイクスピアで同じような議論してるんかなーて。「スピアをシェイクて、モロじゃね」とか英語で。